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第13巻 第10号 1980年10月 [目次] [全文 ( PDF 1208KB)]
原著

電気メス使用の結腸縫合創治癒に及ぼす影響に関する実験的研究

森本 悟一

和歌山県立医科大学消化器外科(主任教授:勝見正治)

 雑種成犬95頭を用いて,その結腸に外科刀と電気メスを組合せた4種類の切開を加え,Gambee一層縫合を行い,縫合創治癒を比較した.結腸全層を電気メスで切開した場合には,約17%に縫合不全の発生を認めた.しかし,粘膜・粘膜下層のみ,または漿膜・筋層のみに電気メスを使用し,その他の層に外科刀を使用すると部分的に少し創治癒の遅れる所はあるが,縫合不全発生率,耐圧試験成績では,外科刀のみを使用した場合と比べほとんど差のない値を示した.したがって電気メスは使用方法のいかんによっては,消化管の縫合を要する部分の切離または切開に充分安全に使用できると考えられる.しかし従来一般に考えられるごとく,全層の電気メス切開は縫合創治癒を遷延させ,その使用はさけるべきである.

索引用語
結腸, 電気メス, 創傷治癒

日消外会誌 13: 1174-1185, 1980

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