原著
人工肛門注腸補助器の臨床的有用性について
更科 広実, 深尾 立, 尾崎 梓, 岡村 隆夫, 岩崎 洋治, 川北 勲1), 大島 統男2)
筑波大学臨床医学系外科, 同 内科1), 同 放射線部2)
人工肛門より明瞭な注腸造影を得るために,内外2筒からなる陰圧型の人工肛門注腸補助器を開発した.これとgyroscopeとの併用により,直腸癌術後などの人工肛門保有者30例に注腸X線検査を行い,つぎのような利点が判明した.すなわち(1)残存結腸の完全な二重造影像が得られ,(2)人工肛門周囲を汚すことなく検査が終了し,(3)腸管穿孔の心配が全くないことなどである.これらの検査でわれわれの補助器が有用であった症例を紹介し,さらに人工肛門からの高圧浣腸にも応用しているのでその実際について説明した.
索引用語
注腸造影法, 人工肛門, gyroscope
日消外会誌 13: 1186-1190, 1980
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