症例
全内臓逆位症にみられた胃癌の1症例
溝口 修身, 竹村 克二, 初瀬 一夫, 門田 俊夫, 黒川 胤臣, 田巻 国義, 加辺 純雄, 平出 星夫, 寺島 肇, 三村 一夫, 岩佐 博
防衛医科大学校第1外科
内臓逆位症は5,000人から10,000人に1人の割にみられるまれな疾患であるが,これに胃癌を合併した症例はわが国で21例と少ない.われわれは全内臓逆位症に合併した進行胃癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は41歳女性.主訴は心窩部痛および体重減少で,入院後右胸心,内臓逆位症に加えて前庭部中心の進行胃癌であることが判り,胃亜全摘,R3廓清,横行結腸合併切除さらにBI吻合を施行した.P1 H0 N3 S3のStage IVで非治癒切除ではあったが,術後経過は良好で3週間後に退院した.1年以上経った現在も元気に会社勤務に復している.
索引用語
内臓逆位症, 胃癌
日消外会誌 13: 1191-1195, 1980
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