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第13巻 第12号 1980年12月 [目次] [全文 ( PDF 1023KB)]
原著

膵線維化の機序に関する実験的研究 特に膵組織ハイドロキシプロリン量と膵線維化

井上 吉弘

熊本大学第1外科

 各種病態下と膵腸吻合術後の膵線維化の動態を知る目的で,犬の実験的膵管閉塞膵のハイドロキシプロリン(以下Hyprと略す)を中性塩可溶性,酸可溶性および不溶性分画にわけて測定した.膵管閉塞膵の組織学的線維化の程度と膵のHypro量とは比較的よい正の相関を示し,胆管結紮後の膵管閉塞膵では,膵管結紮1週目では線維化は抑制され,2週目になると促進された.また膵管内に胆汁を注入直後,膵管結紮を行い,1週経たものでは膵管結紮のみを行って膵液うっ滞を1週負荷したものと膵組織のコラーゲン量や組織像に有意の差を認めなかった.犬の膵管を結紮するとき,1週目までは膵の線維化は可逆的であったが,2週目になると線維化は不可逆的であった.

索引用語
膵線維化ハイドロキシプロリン, 膵管結紮, 閉塞性黄疸, 膵腸吻合

日消外会誌 13: 1369-1378, 1980

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