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第13巻 第12号 1980年12月 [目次] [全文 ( PDF 540KB)]
原著

膵頭十二指腸切除術と膵管空腸吻合

松末 智, 相原 貞夫, 倉本 信二, 田中 英夫, 中村 義徳, 酒井 知昭, 西川 秀文, 枡本 博文, 前谷 俊三1)

天理よろづ相談所病院腹部外科, 京都大学医学部第1外科1)

 過去13年間で40例の膵頭十二指腸切除術が施行され,手術後入院中死亡率は17.5%で黄疸例29例の死亡率は20.7%であった.死亡率は黄疸の強弱,一期的手術,二期的手術には無関係であった.当院独自のVertical mattress sutureによる膵管空腸吻合術(本法)が15例に行われ,他の吻合法が25例に行われた.膵空腸吻合縫合不全は膵管径の小さいほど高率となり,本法で1例,他では8例に起こっており,本法が優れていた.長期生存例での検討で下痢の発生が本法ではなかったが,他の吻合法による12例中3例に起っている.本法は縫合不全の低率さに加えて,その特徴から長期にわたる膵管の開存が得られる可能性が多い.

索引用語
膵頭十二指腸切除術, 膵管空腸吻合, Vertical mattress suture, 閉塞性黄疸, 膵頭領域癌

日消外会誌 13: 1379-1384, 1980

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