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第14巻 第1号 1981年1月 [目次] [全文 ( PDF 1144KB)]
原著

気管,気管支,肺に浸潤する食道癌の外科的治療に関する検討

内田 雄三, 中村 譲, 中尾 丞, 南 寛行, 川原 克信, 一万田 充俊, 日高 重幸, 内山 貴堯, 大曲 武征, 綾部 公懿, 三浦 敏夫, 調 亟治, 辻 泰邦, 柴田 紘一郎1), 古賀 保範1), 富田 正雄1), 芦沢 昭2)

長崎大学医学部第1外科(主任:辻 泰邦教授), 宮崎医科大学第2外科1), 長崎大学附属病院中央放射線部2), 現 大分医科大学外科

 原発巣が切除された食道癌症例58例のうちA3症例は24例であり,これらの症例について臨床的ならびに病理学的に検討し,気管,気管支,肺浸潤例の外科的治療について検討した.A3症例24例のうちa3症例は16例(66.7%)であり,気管,気管支浸潤例は5例,肺浸潤例は5例であった.気管,気管支浸潤例のうち,食道気道瘻を形成した2例は術前照射療法なしに合併切除を施行したが4カ月以内に死亡した.食道気道瘻を形成していない症例に対しては浸潤部位を削りとるようにして切除が行われた.肺浸潤例では5例中4例に肺部分切除が行われ,1例では剥離が行われた.術後4例に肺転移がみられたが,いずれも浸潤側肺であった.肺浸潤例に比較し,気管,気管支浸潤例の方が頚部リンパ節転移の傾向が大であった.照射例の中にはA3=a0-2の症例があり,浸潤部位の癌組織が消失したと思われる症例もある.以上の成績より次のように結論する.(1)肺浸潤例に対しては肺部分切除が積極的に行われる.(2)気管,気管支浸潤例で食道気道瘻を形成していない症例では限局型A3・N0-1症例においてのみ合併切除が考慮され得る.それ以外の症例では浸潤部位をできるだけ含めて切除し,遺残癌組織には照射を主とした後療法が行われる.切除不能例および瘻孔形成例では,先ずBy-pass手術を優先し,根治照射を行うのがよい.ただし,Ce症例は例外である.

索引用語
食道癌, 気管・気管支・肺浸潤例

日消外会誌 14: 10-20, 1981

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