原著
教室における早期胃癌手術症例の検討―特にリンパ節転移を中心にして―
石井 俊世, 三浦 敏夫, 原田 達郎, 中山 博司, 平野 達雄, 吉田 千里, 野川 辰彦, 橋本 茂広, 藤井 良介, 高木 敏彦, 橋本 芳徳, 石川 喜久, 小武 康徳, 下山 孝俊, 内田 雄三, 辻 泰邦
長崎大学医学部第1外科
教室で最近10年間に経験した早期胃癌手術症例について検討した.対象症例は原発胃癌切除総数583例の22%を占め,m癌55例,sm癌は73例であり,男女比は1.9:1で男性に多く,平均年齢は55歳で高齢者の比率が高く,進行癌の平均年齢と差はなかった.肉眼病型では陥凹型61.7%,混合型21.9%,隆起型16.4%で,若年者は全例陥凹型であるが,高齢者の肉眼型別頻度に差はみられなかった.対象症例のリンパ節転移率は14.8%であり,m癌では10.9%,sm癌は17.8%であった.群別転移率は第1群リンパ節7.0%,第2群6.3%,第3群1.6%であり,少くともR2の廓清が必要と考える.また転移率は腫瘍径が大なるに従って高く,隆起型や陥凹型より混合型が高率を示した.
索引用語
早期胃癌のリンパ節転移率, 早期胃癌のリンパ節郭清の程度
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