原著
食道に進展するBorrmann 4型胃癌の臨床的検討―とくに開腹時所見からみた切除適応について―
内田 雄三*, 小武 康徳, 藤富 豊, 渡部 誠一郎, 山岡 憲夫, 一万田 充俊, 高木 敏彦, 石川 喜久, 日高 重幸, 猪野 睦征, 北里 精司, 大江 久圀, 柴田 興彦, 石井 俊世, 下山 孝俊, 三浦 敏夫, 調 亟治*, 辻 泰邦
長崎大学医学部第1外科(*現 大分医科大学外科)
Borr.4型胃癌の切除例46例,非切除例18例(食道浸潤例は切除例17例,非切除例7例)の予後と手術適応について検討した.術後成績を検討する場合,食道浸潤例では術後1年生存が目安となる.P(+)例ではP1-2とP3群,N(+)例ではN1-2群とN3-4群の間に差がみられた.他型と比較して,S2-3例の中でP(+)例の率が高かかった.ow(+)は食道浸潤距離よりも,Borr.4型症例を経腹的に切除したもので多かった.Borr.4型胃癌のS1-2・N1-2症例では,P(-)の場合,治癒手術を期待し得るが腹膜再発に対する対策が必要である.P1-2の場合,姑息的切除が行われる.S3症例ではP(-)の場合にのみ合併切除の適応となり,N3-4症例ではS1-2・P0-2までの症例が姑息的切除の適応と考えられる.
索引用語
Borrmann 4型胃癌, 食道浸潤例
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