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第14巻 第3号 1981年3月 [目次] [全文 ( PDF 1027KB)]
原著

“残胃切除例における慢性胃炎の臨床病理学的研究”

前川 勝治郎

順天堂大学第1外科(主任:城所 仂教授)

 64例の種々の良悪性疾患により再切除を受けた残胃材料について,初回切除胃材料と対比しつつ,残胃粘膜全領域の胃炎性変化を病理組織学的に解析した.残胃の慢性胃炎の分類は,佐野の慢性胃炎分類に残胃に比較的しばしば見られる嚢胞状過形成胃炎を加えた.化生性胃炎,萎縮過形成胃炎,疣状胃炎,嚢胞状過形成胃炎の4つに分けて検討した.萎縮過形成胃炎において,特に吻合部周辺の腺窩上皮の過形成胃炎は,初回切除胃口側断端に認められず,長期経過例の残胃吻合口周囲胃粘膜に新たに出現したものであり,その頻度は約45%であった.また術式別では,Billroth II法の方が約4倍多く認め,5年以上経過例においては,その差はさらに明らかであった.

索引用語
残胃慢性胃炎, 萎縮過形成胃炎, 化生性胃炎

日消外会誌 14: 461-470, 1981

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