原著
Obstructive cholecystopathy(閉塞性胆嚢症)の臨床病理学的検討―胆嚢病変と臨床症状との関連について―
武藤 良弘, 内村 正幸, 脇 慎治, 林 輝義, 鮫島 恭彦, 千葉 憲哉, 岡本 一也1)
浜松医療センター外科, 同 病理1)
胆石嵌頓によるobstructive cholecystopathy(閉塞性胆嚢症)例の胆嚢病変と初発時の症状との関連性について検討した.胆嚢病変を膿瘍・肉芽型と単純型に大別し,各々の割合をみると前者が54.7%,後者は45.3%であった.膿瘍・肉芽型の胆嚢内分布は限局型52.7%,中間型16.1%,広範型31.2%であって,胆嚢各部位とも同頻度にみられた.膿瘍・肉芽型は各年齢にほぼ同じ割合でみられ,男性に多い傾向がうかがえた.この病変と症状の関連をみると,初発症状が強度な程膿瘍・肉芽型が多く病変も広範にわたっていた.すなわち症状が強い例程胆嚢病変は高度であり,軽度な例では胆嚢病変も軽度であるとの関連性が示唆された.
索引用語
胆石嵌頓, obstructive cholecystopathy(閉塞性胆嚢症), 胆嚢病変と初発症状
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