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第14巻 第7号 1981年7月 [目次] [全文 ( PDF 909KB)]
原著

食道癌における腹腔内転移リンパ節の超音波診断の検討

村田 洋子, 井手 博子, 秋本 伸, 済陽 高穂, 吉田 操, 林 恒男, 山田 明義, 木下 祐宏, 遠藤 光夫

東京女子医科大学消化器病センター外科

 胸部食道癌の腹腔内リンパ節転移率は高く,術前にリンパ節転移の有無を知ることは,治療方針決定に有要である.今回われわれは,摘出リンパ節のエコーグラムを検討し肉眼で明らかな転移陽性リンパ節が低エコー像を呈し,かつ組織学的陰性腫大リンパ節がechogenicな像を示すことから,転移リンパ節の術前診断がある程度可能であると推定し,臨床例につき検討した.60症例443個のリンパ節について検討したところ,部位別では脈管が指標となる部位,すなわち腹腔動脈周囲,総肝動脈周囲の診断率が約70%以上で良好であった.噴門部は指標の脈管がないのでこの診断能の向上の一工夫としてホガティーカテーテルを挿入し指標としたところ有効であった.転移陽性と診断できるリンパ節の大きさは径10 mm以上の組織学的癌細胞でみたされたもので,86%と良好であった.

索引用語
食道癌腹腔内リンパ節転移, 転移リンパ節の超音波診断

日消外会誌 14: 1005-1015, 1981

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