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第14巻 第7号 1981年7月 [目次] [全文 ( PDF 1077KB)]
原著

消化器癌患者の細胞性免疫に関する研究 リンパ球幼若化反応を中心として

松本 学

京都府立医科大学第2外科学教室(指導:橋本 勇教授)

 消化器癌患者237例を対象にして,細胞性免疫能を全身的なものと,癌病巣に所属するリンパ節細胞の免疫応答とに区別し,in vitroのリンパ球幼若化反応を指標にして検討した.
 1)PHA幼若化反応を指標にした全身的な免疫能は,癌患者(S.I.=52.9±23.4)では健康人(n=92,S.I.=103.7±34.4)に比し有意な低下を認め(p<0.01),また癌が進行するに従って低下傾向が認められた.胃癌患者で領域リンパ節の採取できた18例につき局所の免疫能を検討すると,全身的な免疫反応に比べて増強傾向が認められた.
 2)非特異的免疫賦活剤を投与された5例につき特異免疫能(MLTR)の変動を検討すると3例(60%)に改善傾向が認められた.

索引用語
細胞性免疫, リンパ球幼若化率, 領城リンパ節細胞, 癌免疫療法

日消外会誌 14: 1039-1050, 1981

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