原著
門脈圧亢進症の超音波画像診断
和田 徹也, 迫田 晃郎, 田中 紘輝, 西 俊平, 古川 勉, 小野 二六一, 川田 拓郎, 秋田 八年
鹿児島大学医学部第2外科
リニア電子走査装置を使用し,門脈圧亢進症(門亢症)に対する超音波画像診断を評価した.門亢症40例,対照80例について門脈系血管の描出を行うとともに脾肺固着術症例を中心に短絡路の描出を試みた.門亢症症例では門脈本幹10 mm以上,脾静脈6 mm以上,脾門部脾静脈5 mm以上の血管内径があり,脾門部と脾内脾静脈の連続性描出,食道胃周辺の側副血行路描出,硬変肝や腹水画像の観察などが本症の診断基準となる.また本法による門脈系血管内径と門脈造影によるそれとは高い相関がみられ,門脈圧との相関もみられた.超音波画像により門脈肺循短絡形成術など短絡術後の短絡開存の描出が可能で門脈系血管のultrasonic angiographyとして極めて有用な方法である.
索引用語
門脈系超音波画像診断, 門脈肺循環短絡, 側副血行路, 短絡路開存性, 門脈圧亢進症
日消外会誌 14: 1051-1058, 1981
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