原著
ビリルビン系石に対する直接溶解剤としてのキレート剤に関する基礎的研究
池尻 裕一
福岡大学医学部第1外科(指導:志村秀彦教授)
ビリルビン系石に対する直接溶解剤の開発を目的として,鎖状ポリリン酸の鎖長とカルシウムキレート効果の関係を明らかにするとともに,キレート剤の生理的条件下でのキレート効果を明らかにするために,種々のキレート剤のpH7.4,温度37℃における条件安定度定数を求め比較検討した.
その結果,鎖状ポリリン酸を含む種々のキレート剤のキレート効果には,この条件下では著しい差異はなく,今までに報告されたこれらの毒性の結果を併せ考える時,鎖状ポリリン酸キレート剤(LPPC)は,現在のところ最も有効なビ系石直接溶解剤の1つであると結論した.
索引用語
直接胆石溶解剤, 遣残胆石症, キレート剤, 鎖状ポリリン酸ナトリウム, 鎖状ポリリン酸キレート剤(LPPC)
日消外会誌 14: 1069-1081, 1981
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