原著
インスリノーマにおける臨床・病理学的検討
米村 豊, 萩野 茂, 小西 孝司, 船木 宏美, 山崎 軍治, 永川 宅和, 宮崎 逸夫, 三輪 晃一1)
金沢大学第2外科, 福井医科大学第1外科1)
インスリノーマ6例(良性5例・悪性1例)について臨床的・病理学的検討を行った.インスリン分泌刺激試験および抑制試験の併施により診断率は向上した.局在診断向上のためには血管造影,CTスキャン,ERCPなどにより総合的に判断すべきものと考えられた.良性の5例には腫瘍を含めた膵尾側切除が施行された.術後,血糖値,IRI値,プロインスリン値は正常化し,再発をみていない.悪性の1例は術後2年6カ月,肝転移,副腎転移にて死亡した.免疫組織学的検索ではインスリン以外にグルカゴン・ソマトスタチン・パンクレアテクポリペプチド含有細胞が確認された.
索引用語
インスリノーマ, プロインスリン, グルカゴン, ソマトスタチン, パンクレアテクポリペプチド
日消外会誌 14: 1088-1098, 1981
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