原著
大腸と他臓器の重複癌
加藤 知行, 山内 晶司, 森本 剛史, 安江 満悟, 高木 弘, 紀藤 毅, 加藤 王千, 宮石 成一, 中里 博昭, 山田 栄吉
愛知県がんセンター外科第3部
1965~1978年までの大腸腺腫症を除く大腸癌手術例の内,他臓器癌との重複例は34例で切除例の3.9%にあたり,癌患者が第2癌を重複する頻度は健康人が初めて癌に罹患する頻度と変りなかった.その内訳は同時性11,異時性23:男子21,女子13である.平均年齢は単発大腸癌と変りはない.重複臓器は大腸癌では結腸が多く,他臓器癌では胃,乳腺,子宮に多い.これは剖検例では胃に次いで肺,甲状腺が多いのと異っていた.同時性癌の診断では術前の充分な診察と検査が,そして術中の腹腔内の検索が重要である.異時性癌の第2癌の早期診断率は低く,今後の問題点である.
索引用語
大腸癌, 重複癌, 多発癌
日消外会誌 14: 1099-1107, 1981
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