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第14巻 第8号 1981年8月 [目次] [全文 ( PDF 682KB)]
原著

胃癌主腫瘍におけるリンパ球浸潤と細胞性免疫能

北川 堯之, 三輪 恕昭, 中村 憲治, 松三 彰, 曽我部 興一, 折田 薫三

岡山大学第1外科

 498例の胃癌切除患者を対象に,主腫瘍におけるlymphoid infiltration(LI)と免疫学的パラメーターと予後とを検討した.免疫学的パラメーターはリンパ球PHA幼若化率(幼若化率)とPPD皮膚反応を用いた.LIは498例中112例(22.5%)にみられ,LI(+++)例は32例(6.4%)であった.LI陽性群の幼若化率はLI陰性群より有意に高値を示した.LIはstage Iに多くみられる傾向であった.stageが進行すると幼若化率は低下するが,LI陽性群では低下しなかった.LI陽性群の方が5年累積生存率は高かった.PPD反応は両群間に相関は認められなかった.LIは幼若化率とよく相関し,担癌生体における細胞性免疫能の局所表現と考えられた.

索引用語
胃癌, lymphoid infiltration, リンパ球PHA幼若化率, PPD反応, 生存率

日消外会誌 14: 1178-1184, 1981

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