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第14巻 第8号 1981年8月 [目次] [全文 ( PDF 485KB)]
原著

レンチナン持続動注療法における担癌患者の免疫学的検討

林 良輔, 落合 武徳, 渡辺 一男, 竜 崇正, 浅野 武秀, 西島 浩, 大塚 雅昭, 坂本 薫, 鈴木 孝雄, 佐藤 博

千葉大学医学部第2外科

 進行癌患者では免疫能が低下していることが知られているが,われわれは化学療法に加えてさらに強力な免疫療法が必要であると考え,免疫賦活剤をより局所に持続注入させる目的で,レンチナンを用いた持続動注法による免疫化学療法を試みた.症例は胃癌をはじめ11例で,すべて手術不能例あるいは絶対非治癒切除例であり,免疫学的検索として,T細胞率,IgG-Fc Receptor陽性T細胞率,リンパ球のmitogen responseとしてPHA-P反応,Con A反応,PPD反応,およびNatural Killer活性を経時的に測定した.この結果,レンチナンの持続動注射法を中心とした免疫化学療法により,ある程度の免疫能の賦活化が得られた.また,臨床的効果および延命効果の面でも,かなりの改善をみた症例を数例経験したが,大量のレンチナンを使用したのにかかわらず,副作用はみられなかった.

索引用語
レンチナン, 持続動注療法, 免疫療法, 進行癌

日消外会誌 14: 1192-1196, 1981

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