原著
胆嚢癌に対する超音波穿刺術の意義
渡辺 義二, 植松 貞夫, 竜 崇正, 古川 隆男, 菊池 俊之, 尾崎 正彦, 小出 義雄, 小高 道雄, 佐藤 博
千葉大学医学部第2外科
胆嚢癌14例に対して超音波穿刺術を施行した.本方法は超音波映像下に直接胆嚢を穿刺し,(1)胆嚢壁および胆嚢内胆汁の細胞診,(2)胆嚢内胆汁のCEA濃度の測定,(3)胆嚢直接造影を行う.胆嚢癌14例中細胞診にて13例に悪性細胞を認め,胆嚢内胆汁CEA値は5例に測定し平均44.0 ng/mlで胆嚢結石症と比較して有意に高値を示し,胆嚢直接造影では胆嚢周辺への癌腫の浸潤状態の適確な把握が可能であった.
超音波穿刺術は比較的安全な検査法で胆嚢癌の早期発見,胆石症との鑑別に非常に有効で今後発展すべき検査法である.
索引用語
胆嚢癌, 超音波診断, 超音波穿刺術, CEA, 吸引細胞診
日消外会誌 14: 1300-1307, 1981
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