原著
胃切除後断端癌遺残例における断端再発とその病理組織学的検討
西土井 英昭, 木村 修, 岡本 恒之, 田村 英明, 貝原 信明, 古賀 成昌
鳥取大学第1外科
胃切除後ow(+)のみで非治癒切除となった胃癌症例について,予後ならびに再発形式を中心に病理組織学的に検討した.対象は40例で,これをow=0 mm群24例,0<ow≦5 mm群16例の2群に分け比較検討した.予後はow(+)例の80%が何らかの形で再発し,両群ともその多くは2年以内に死亡したが,長期非再発例には早期癌症例が高頻度にみられた.再発様式判明例16例の再発様式をみると,63%(10/16)が断端再発をきたし,ow=0 mm群と0<ow≦5 mm群の両者ともほぼ同率に断端再発がみられたが,0<ow≦5 mm群の方が再発症状出現時期が遅い傾向がみられた.断端再発例の組織学的特徴として,INFγの浸潤型が多く,脈管侵襲(とくにly)の高度なものが多くみられた.
索引用語
胃癌, 断端再発
日消外会誌 14: 1409-1413, 1981
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