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第14巻 第10号 1981年10月 [目次] [全文 ( PDF 682KB)]
原著

肝切除後のエネルギー基質の変化に関する実験的研究

中谷 寿男, 小沢 和恵, 浅野 元和, 浮草 実, 上山 泰男, 戸部 隆吉

京都大学第1外科

 25%および70%肝切除家兎において,残存肝細胞のエネルギーレベルと残存肝で利用され得るエネルギー基質の関係について検討した.25%肝切除家兎では,術後残存肝のenergy chargeは低下せず,残存肝は主としてブドウ糖をエネルギー基質として利用した.しかし,70%肝切除家兎では,残存肝のenergy chargeが低下する術後早期には,残存肝のミトコンドリアにおけるエネルギー産生は,主として脂肪酸々化によっており,その後,energy chargeが回復するにつれて,主として解糖によってエネルギー供給がなされるようになった.残存肝において利用される得るエネルギー基質の変化は,残存肝のエネルギーレベルと密接に関連する事が示唆された.

索引用語
肝切除, エネルギー基質, 残存肝(+)-octanoylcarnitine, sodium fluoride

日消外会誌 14: 1420-1426, 1981

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