原著
pm胃癌の臨床病理学的検討 とくにsm浸潤の大きさからみた予後を中心に―
友清 明
久留米大学第2外科教室(主任:古賀道弘教授)
胃癌総数779例中50例のpm胃癌について,臨床病理学的に予後を含めて検討した.50例全例が予後追跡可能で,他病死4例を除く14例(30.4%)が再発死亡であった.14例中血行性転移が8例と過半数を占め,そのほとんどが2年以内に死亡していた.sm浸潤の大きさからリンパ節転移率,予後を検討したが,sm浸潤が大きくなる程リンパ節転移率は高く,また累積生存率も低下した.なおsm浸潤と肉眼型とに関しても検討した結果,Borrmann型の方がsm浸潤が大きく,これはBorrmann型の方が早期類似型よりもリンパ節転移率が高く,かつ生存率が低い事の裏づけとなり,pm胃癌ではsm浸潤の大きさが重要な因子だと思われた.
索引用語
pm胃癌, sm浸潤, Borrmann型, 早期胃癌類似型, 胃癌累積5年生存率
日消外会誌 14: 1549-1558, 1981
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