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第14巻 第11号 1981年11月 [目次] [全文 ( PDF 1343KB)]
原著

良性十二指腸乳頭部狭窄症の検討

嬉野 二郎

久留米大学医学部第2外科(主任:古賀道弘教授)

 乳頭形成術を施行した48例について,術前の直接胆管造影における胆管末端像および切除乳頭の組織所見を観察し,その関連性について検討した.末端部の動きが良好で筆尖状を呈するI型は全例組織学的には可逆性の変化であった.これに対し,動きがみられず壁硬化像を認めるIII型は14例中12例に高度の線維化を認め不可逆性の変化であり,末端部の動きはみられるが急峻な狭小化を認めるII型は種々の組織型を示すが,狭窄部が長いもの程不可逆性変化を示す例が多かった.よって,胆管末端像とその乳頭部組織所見とは密接な関連を認め,術前の直接造影における胆管末端像の詳細な観察により,乳頭部狭窄の質的な診断は十分可能と思われた.

索引用語
十二指腸乳頭部狭窄症, 直接胆管造影による胆管末端像

日消外会誌 14: 1602-1613, 1981

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