原著
選択的経皮経肝左胆管造影法―とくに重症胆管炎症例に対して―
ちょ 桂植, 青木 豊明*, 森本 修, 谷浦 賢, 藤堂 泰三, 梅山 馨
大阪市立大学医学部第1外科, 大阪掖済会病院*
左肝内胆管主幹枝は解剖学的に分枝の数も少なく,比較的一定した走行を示し,またその内径も肝内胆管のうちでは最も太く,肝外胆管が閉塞された場合,最も早期から太くなるといわれている.
そこでわれわれはPTC,PTCD時のX線フィルムを検討し,左肝内胆管主幹枝を選択的に造影するための穿刺目標を設定した.この穿刺目標により選択的経皮経肝左胆管造影法を試みたところ閉塞性黄疸86例中,1回穿刺70例(81.4%),2回穿刺10例(11.6%)で全例に左肝内胆管主幹枝の造影に成功した.また重症胆管炎症例5例に試みたところいずれも一回穿刺にて成功し,ひきつづきPTCDを行い,全例に根治術を施行している.
索引用語
選択的経皮経肝左胆管造影法(s-PTLC), 閉塞性黄疸, PTCD(前胸部法), 重症胆管炎
日消外会誌 14: 1673-1681, 1981
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