原著
Borrmann 2型,3型における占居部位からみた進展の様式
川浦 幸光, 大村 健二, 岩 喬
金沢大学第1外科学教室(主任:岩 喬教授)
進行胃癌症例について,占居部位からみた転移,進展様式を検討した.C領域癌50例,M領域癌32例,A領域癌32例を対象とし,組織型,リンパ管侵襲,静脈侵襲,浸潤様式,S,H,P,n因子との関係を検討した.その結果以下の結論を得た.1)C領域癌はリンパ管侵襲を介してリンパ節転移しやすい.2)M領域癌は同様にリンパ管侵襲を介してリンパ節転移しやすい.3)A領域癌はリンパ管侵襲を介して腹膜に直接播種する一方,静脈侵襲を介して肝転移するという二方向性の進展様式をとる.4)肉眼型ではBorrmann 2型が3型に比してリンパ節,肝,腹膜転移が低く,Borrmann 3型でA領域の癌は静脈侵襲を介して肝転移する一方,リンパ管を介して腹膜転移する.
索引用語
進展様式, ボールマンII型およびIII型, 占居部位
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