原著
吻合部狭窄に対する内視鏡的切開拡張術
加藤 元一, 福田 健, 沢井 清司, 徳田 一1), 藤本 荘太郎2), 中島 正継3)
1)京都第2赤十字病院外科, 2)同 内科, 3)琵琶湖胃腸病院内科
吻合部狭窄により経口摂取不能となった19症例(食道癌:1,胃癌:12,食道静脈瘤:1,胃潰瘍:4,十二指腸潰瘍:1)に対し,内視鏡的切開拡張術を施行した.このうち,切開による拡張を行ったもの16例,抜糸のみで拡張したもの3例で,これにより全例,図形物の経口摂取可とすることができた.重篤な合併症はなく,胃・十二指腸吻合部狭窄切開の1例に切開後一過性の発熱をみたにすぎない.また,胃癌で胃空腸吻合を行った1例に,切開後6カ月で再狭窄をみたが,再切開により嚥下障害は改善され,その後経過良好である.吻合部狭窄に対する内視鏡的切開拡張率は,その治療法として安全かつ確実な方法と考えられる.
索引用語
1.吻合部狭窄, 2.内視鏡的切開拡張術
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