原著
拡大郭清膵切除術と栄養―とくに膵頭十二指腸切除術症例の消化吸収障害と管理を中心に―
永川 宅和, 磯部 次正, 渡辺 公男, 浅野 栄一, 山崎 軍治, 竹下 八州男, 小西 孝司, 倉知 圓, 佐々木 誠, 藤田 秀春, 宮崎 逸夫
金沢大学第2外科
著者らの教室で開発,施行している拡大郭清膵頭切除術(Translateral approach法)にともなう栄養障害の病態解明を目的として,各種の消化吸収試験を行い.主に標準膵頭切除術と対比して検討した.すなわち,131I-Triolein試験についてみると,拡大郭清膵頭切除術7例は全経過を通じて,平均で30~40%の高度障害を示したのに対し,標準頭切除術18例は7~20%の軽度あるいさ中等度障害にとどまっていた.PFD試験では,平均45~55%,5 g D-Xylose試験については,1,100 mg~1,200 mgと標準膵頭切除術に比べかなりの低下を認めた.以上,拡大郭清例の消化吸収障害の程度はかなり大きいが,著者らが行っている術後対策と栄養管理について併せて報告した.
索引用語
拡大郭清膵切除術, 膵癌術後消化吸収障害, 膵癌術前術後管理, 晩期栄養管理
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