原著
クローン病の外科治療―Catheter Ileostomyによる二期手術について―
仁尾 義則
京都大学第2外科(指導:日笠頼則教授)
最近5年間に経験したクローン病は8例で,その切除標本の検討から,肉眼的病変部より単に一定の距離をおいて切除するのみでは,skipする微小病変を取り残す可能性が高いことが考えられたため,最近の症例では根治術に先立つてcatheter ileostomyを施行し,これにより小腸二重造影を行い,微小病変の検索に努めるようにしている.これによつて根治術前既に切除範囲を決定し得る.なお術中も内視鏡検査を併せ行い,微小病変の遺残を徹底的に防ぐように努めている.本法を施行した4例の術後経過期間は,最長4年で,術後成績を云々するには不充分ではあるが,現在までのところ再発を来した症例はいまだない.
索引用語
クローン病, catheter ileostomy, 小腸二重造影
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