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第15巻 第3号 1982年3月 [目次] [全文 ( PDF 407KB)]
原著

肝障害時の消化器系手術における耐糖能

川浦 幸光, 金子 芳夫, 牛島 聡, 松本 憲昌, 宮下 徹, 岩 喬

金沢大学第1外科(主任:岩 喬教授)

術前のGOT,GPT値がともに70国際単位以上で,胃切除16例(A群),胆道手術15例(B群),大腸・直腸手術20例(C群),膵炎4例(D群),肝機能異常のない胃切除例52例(E群)を対象とし,耐糖能を検討した.術前,術後に経日的に血糖値,I.R.I.値を測定した.成犬を用いて黄疸+胃切除群(F群-4頭),胃切除群(G群-4頭)に分け,糖負荷テストを行って,末梢血,門脈血中の血糖値,I.R.I.値を測定した.成績:1)A,C群では耐糖能が保たれているが,B,D群ではインスリン反応遅延が認められた.2)肝障害があると術後の耐糖能の回復に1週間以上を要した.3)実験例では,門脈,末梢血中のI.R.I.較差が小さくなり,耐糖能の調節に肝でのインスリン捕獲が重要な役割を果していると思う.
 肝障害を有する症例について,術前術後に50 gm糖経口負荷テストを行い血糖値,I.R.I.を測定した.疾患部位の違いによる耐糖能を検討した.一方,実験的に閉塞性黄疸を作製し,10 gm糖静脈負荷テストを行い,末梢血,門脈血中の血糖値,I.R.I.の変化を測定した.その結果,次の結論に達した.1)胃および大腸系疾患では肝の予備能力は比較的よく保たれるが,肝胆膵疾患ではインスリン反応の遅延がみられた.2)術前に肝障害があると,耐糖能の回復に1週間以上を要する.3)閉塞性黄疸作製群では,結紮直後ではまだ肝におけるインスリンの捕獲が行われるが,10日後の検討では,門脈血中I.R.I,と末梢血中I.R.I.の較差が小さく,インスリン捕獲の障害を認めた.

索引用語
耐糖能, 消化器系手術, 閉塞性黄疸

日消外会誌 15: 459-463, 1982

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