原著
肝局所有効血流指数の測定方法とその臨床的意義
三村 久, 上田 祐造, 大原 利憲, 小林 敏幸, 浜崎 啓介, 津群 眞, 大野 靖彦, 松田 忠和, 折田 薫三, 田辺 正忠1), 玉井 豊理1)
岡山大学第1外科, 同 放射線科1)
肝切除前後の肝機能を規定する因子として有効肝血流量に注目し,198Auコロィドを用いて,コンピューター解析により,任意の肝部分の肝局所有効血流指数を測定する方法を考案し,臨床的意義について検討した.
有効肝血流指数の正常値は(183±13)×10-3/minであった.広範囲肝切除術後には有効肝血流指数は,切除量にほぼ比例して減少した.手術前における残存予定肝部の有効血流指数の予測値は,術後の残存肝有効血流指数の実測値と相関係数0.67でほぼ一致した.有効肝血流指数の生存可能下限は50×10-3/min前後と考えられた.有効肝血流指数は,肝機能の一示標として,またとくに肝切除範囲の決定の上で有力な指標となる.
索引用語
198Auコロイド, 肝局所有効血流指数, 残存肝血流指数, 肝切除可能範囲
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