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第15巻 第3号 1982年3月 [目次] [全文 ( PDF 535KB)]
原著

慢性膵炎に対する外科治療の有効性と限界

木南 義男, 小西 孝司, 竹下 八洲男, 宮崎 逸夫

金沢大学第2外科

 過去14年間に教室で経験した慢性膵炎75例の治療成績を検索した.全例中,膵直接および間接手術を受けた49例(65%)の外科治療群は自覚的所見,特に疼痛に対し92%または94%に軽快以上の改善を示したが,膵機能検査を含む他覚的所見に対し必ずしもその有効性を表わさなかった.また,外科治療群の治療成績は試験開腹を含む非外科治療群(26例)より良好であったが,膵切除例では他術式例で20~33%にみた耐糖能改善を全く示さず,手術々式による治療効果の差が認められた.以上の成績より,外科治療は本症の病態の中断あるいは改善の可能性を有するが,その効果に限界があることが示唆された.

索引用語
慢性膵炎直接手術, 慢性膵炎間接手術, 慢性膵炎除痛効果, 膵機能検査, 慢性膵炎術式別社会復帰状況

日消外会誌 15: 481-485, 1982

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