原著
閉塞性黄疸における耐糖能およびインシュリン反応と予後
小林 衛, 武藤 正樹, 嶋田 紘1), 新明 紘一郎1), 阿部 哲夫1), 呉 宏幸1), 鬼頭 文彦1), 土屋 周二1)
国立横浜病院外科, 横浜市大第2外科1)
閉塞性黄疸60例にO-GTTを施行し,その成績と術後成績との関連性を追求した.60例中55.0%に合併症が発生し,入院死亡率は25.0%であり,死因の主なものは肝不全であった.黄疸例は全体に耐糖能やインシュリン反応が低下しており,耐糖能やインシュリン反応不良例では56.4~76.5%に合併症が発生し,死亡率は28.2~50.0%に達した.これに反し成績良好例は合併症も少なく,死亡例は殆んどなく,O-GTT成績と術後成績との関連性がみとめられた.とくに血糖曲線の復元指数と120分ΔIRI/Δ血糖は術後成績とよく相関した.したがって閉塞性黄疸におけるO-GTT成績は肝予備力の判定と予後を計るparameterとして有用である.
索引用語
閉塞性黄疸, 経口的ブドウ糖負荷試験, 耐糖能, インシュリン反応
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|