原著
高カロリー輸液の血糖調節に関する研究
板倉 丈夫
大阪大学第1外科
高カロリー輸液時の血糖調節について,安定期症例18例を対象として,以下の3点の検討を行った.1)本輸液施行中の血糖値は,第1日目131.4±18.8 mg/dl,第8日目112.5±18.2 mg/dl,施行2週間の日差変動は105.0±22.1 mg/dlを示し,通常の経口摂取時の変動と異なるものではなかった.2)本輸液施行中にIVGTTを行い施行前と比較し,K値は0.66±0.87%/min,Insulin lndex ΔIRI/ΔBS(5 min)は0.16±0.16と両者とも有意の増加を認め,本輸液時の耐糖能は保持されていた.3)本輸液を中止した時,血糖値はいずれの症例においても低下し,24~80 mg/dlを示すも低血糖症状は呈さず,本輸液施行によっても低血糖に対する生体の対応は維持されていた.
索引用語
高カロリー輪液, 血糖調節, 耐糖能
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