原著
食道癌手術例におけるSwan-Ganz Catheterによる術前術後循環動態に関する研究
大井川 健
福島県立医科大学第1外科(主任:本多憲児教授)
食道癌手術例77例にSwan-Ganz Catheterを挿入し,術前,術直後(術後24時間以内),術後遠隔期(術後24時間から術後5日まで)の循環動態と臨床像について検討を行なった.
術前64例では循環動態I型35例(54.7%),II型28例(43.7%),III型0例,IV型1例,V型0例で,術前循環動態と癌占居部位,術前検査成積,術前栄養状態との間には関連は認められなかった.
術直後および術後遠隔期においてI・II型で推移する症例には特に合併症は認められなかったが,III型を示す症例には心筋梗塞,肺浮腫,完全A-Vブロック等重篤な合併症が認められた.食道癌術後は循環動態III型を示す症例には,各症例に応じた厳密な術後管理が必要であると考えられた.
索引用語
食道癌, 食道癌術後管理, 食道癌術後合併症, Swan-Ganz Catheter
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