原著
連続24時間食道pH測定によるGastroesophageal refluxの検討
渡辺 正敏, 籏福 哲彦, 石田 薫, 金森 裕, 近藤 宗廉, 森 昌造
岩手医科大学第1外科
Gastroesophageal reflux(GER)の病態解明と診断の確立の目的で,新たに連続24時間食道pH測定を行い,健常人と滑脱型食道裂孔ヘルニアのGERについて検討した.健常人7例の1時間当りの逆流時間と逆流回数は3.4±2.4分と1.0±0.4回で,1回の最長逆流時間は17.4±8.2分であった.これに対して滑脱型食道裂孔ヘルニア11例の逆流時間と逆流回数は13.5±6.6分と1.9±1.0回,最長逆流時間は65.9±36.7分で,健常人と比べていずれも有意に上回る値を示した.また,健常人と逆流性食道炎を有する滑脱型食道裂孔ヘルニアとの間にはさらに大きな差が認められた.以上より,本検査はGERの病態把握と逆流性食道炎の診断にかなり有用なことが判明した.
索引用語
Gastroesophageal reflux(GER), 最長逆流時間, 食道pH測定
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