原著
急性化膿性胆管炎についての細菌学的考察―特に嫌気性菌との関係について―
花井 拓美, 由良 二郎1), 品川 長夫1)
国立浜松病院外科, 名古屋市立大学医学部第1外科(主任:由良二郎教授)1)
胆道系疾患における嫌気性菌の臨床的意義を検討した,一般に嫌気性菌は好気性菌と混合で検出されることがほとんどで,ビ系石の総胆管・肝内結石症50例では36%,胆管炎症例22例では45%,急性化膿性胆管炎症例11例では73%に混合で検出された.すなわち重症感染例ほどその傾向が顕著である.胆道系における嫌気性菌感染成立の背景には好気性菌との混合感染による胆汁のpH,ORPの低下が関与しており,ここに嫌気性菌と好気性菌のbacterial synergismが急性化膿性胆管炎の発症ならびにその病態に大きい影響を及ぼしているものと考える.
索引用語
急性化膿性胆管炎, 嫌気性菌, 胆汁酸化還元電位, 胆汁pH, bacterial synergism
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