原著
肝硬変合併細小肝細胞癌の診断における超音波検査の有用性(腫瘤径3 cm未満の5症例の検討)
稲吉 厚, 渡辺 栄二, 田代 征記, 田代 篤信1), 赤星 玄夫1)
熊本大学第1外科, 同 第3内科1)
今回,最近の4年5カ月間に経験した腫瘤径3 cm未満の肝硬変合併細小肝癌5例6病変について,超音波検査の有用性を検討した.超音波検査では,血管造影と同じく6病変中5病変で腫瘤を検出することができた.外来での肝癌のスクリーエング法として,従来のAFPの測定に加え,超音波検査およびCT検査を併用すると,より確実に早期診断が可能であると考えられる.細小肝癌のエコーパターンは,非癌部肝組織と比べ,高エコー型,正エコー型,低エヨー型を認めた.肝硬変合併細小肝癌症例の手術では,腫瘤が肝の深部に存在する場合は表面から視触診上確認できないことがあり,術中超音波検査および超音波ガイド下切除が有効であった.
索引用語
細小肝細胞癌, 肝癌の超音波診断, 肝硬変合併肝細胞癌
日消外会誌 15: 1189-1195, 1982
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