原著
本邦における切除不能膵頭部領域癌に対する姑息手術術式―全国アンケート調査の結果から―
青木 洋三, 嶋田 浩介, 柿原 美千秋, 佐々木 政一, 竹井 信夫, 川嶋 寛昭, 勝見 正治
和歌山県立医科大学消化器外科
切除不能膵頭部領域癌に対する姑息手術術式に関して我が国における現況を明らかにするため,全国150施設での術式をアンケート方式により求め,集計,分析した.約95%にあたる144施設では胆道バイパス術のみが行われており,この内80施設で胆摘後胆管空腸吻合がRoux-en-Y型式で行われ,胆管空腸吻合は端側,側側で行われることが多く,Y脚の長さは30~40 cmとる施設が多かった.将来十二指腸閉塞を来す可能性を最多の理由に消化管バイパス術が40%の施設で併施され,この際胃切除や迷走神経切離は行わない施設が多かった.除痛対策は33%の施設において行われ,この内約80%の施設が腹腔動脈神経叢へ操作を加えていた.
索引用語
切除不能膵頭部領域癌, 胆道バイパス術, 閉塞性黄疸
日消外会誌 15: 1203-1211, 1982
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