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第15巻 第7号 1982年7月 [目次] [全文 ( PDF 938KB)]
原著

良性疾患による大腸穿孔例の検討―特に術後合併症・予後に影響をおよぼす諸因子について―

近藤 哲, 蜂須賀 喜多男, 山口 晃弘, 磯谷 正敏, 堀 明洋, 安井 章裕, 広瀬 省吾, 山田 育男, 深田 伸二, 宮地 正彦

大垣市民病院外科

 良性疾患による大腸穿孔19例を対象とし,臨床的諸事項,さらに術後合併症・予後に影響をおよぼす諸因子について検討した.
 術後合併症は高齢,女性,術前合併症(+),ショック(+),腹腔内遊離ガス(-),穿孔部が3 cm以上の各群に多くかつ重篤であった.また,白血球数の増加がみられなかった2例はいずれも死亡した.ショックの出現は主に腹腔内への大量の糞便漏出により惹起されると考えられ,free perforationでかつ腹腔内遊離ガス(-)の全症例にのみ認められた.
 手術法は患者の全身状態と炎症の程度を中心とした総合的評価に基き決定されるべきで,これらの条件が不利な場合にはexteriolization,Hartmann手術が最適である.

索引用語
大腸穿孔, 特発性大腸穿孔, 潰瘍性大腸炎toxic megacolon穿孔, 放射線腸炎穿孔

日消外会誌 15: 1249-1257, 1982

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