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第15巻 第8号 1982年8月 [目次] [全文 ( PDF 582KB)]
原著

食道がんリンパ節転移の新しい検査法―食道リンパ節シンチグラフィー―

加藤 抱一, 飯塚 紀文, 渡辺 寛, 平田 克治, 平嶋 登志夫1), 照井 頌二2)

国立がんセンター病院外科, 同 内科1), 同 放射線診断部2)

 21例の食道および胃噴門部がん症例において,術前に所属リンパ節の情報を得る目的でテクネシウム99m-レニウムコロイドを食道粘膜下層に注入して,リンパ節シンチグラフィーを試みた.
 手術で郭清されたリンパ節289個のうち,シンチグラムに描出されたのは68個で,そのうち17個(25%)に転移がみられ,描出し得なかっあ221例のうち,9個(4.1%)に転移がみられた.腫瘍の肛門側にもRIの投与が可能な症例では,腹腔内リンパ節の描出も可能であった.われわれの方法を行うと,転移リンパ節でもリンパ組織の残存があれば描出されうることを,切除リンパ節のシンチグラムなどによって示し,この方法が,術前にリンパ節転移の有無を予測するのに有効であることが明らかになった.

索引用語
食道リンパ節シンチグラフィー, 99mTc-Re(テクネシウム99m-レニウムコロイド), 食道, 胃噴門部がんのリンパ節転移, リンパ節造影法

日消外会誌 15: 1308-1313, 1982

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