原著
胃癌におけるリンパ管侵襲の検討―とくに早期胃癌について―
栗山 洋*, 東 弘, 宮本 徳廣, 前浦 義市, 神前 五郎
大阪大学医学部第2外科(*現箕面市立病院外科)
当科における10年間(1970-1979年)の早期胃癌182例について,リンパ管侵襲lyとその他の因子との比較検討をおこなった.
m癌79例はすべてly0であったが,sm癌103例のうちly059例,ly129例,ly29例,ly36例で,ly陽性率は44/103,42.7%であった.早期胃癌でly0症例の再発率は3/138,2.1%で,ly(+)症例では4/44,9.1%で両者は有意差(p<0.05)であった.すなわちlyが早期胃癌の予後を左右する重要な因子と考えられる.ly陽性率の高いのは,C領域の長径4.1 cm以上の,隆起型のpapやtubの分化型病理組織型の,リンパ節転移(+)の症例であった.
索引用語
早期胃癌, 胃癌のリンパ管侵襲, 早期胃癌リンパ節転移
日消外会誌 15: 1314-1317, 1982
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|