原著
本邦における良性胆道疾患の統計的観察―145施設アンケート集計の分析 第1報 確定診断病態の分布
中瀬 明, 井田 健
島根医科大学第1外科
昭和54年~56年の2年間(145施設)で術前胆道系良性疾患と考え開腹した14,654例の確定診断病態(18病態)を分析した.胆石症例は総症例の94%を占め,胆石所在部位別には胆嚢(72.2%)胆嚢+肝外胆管(15.6%),肝外胆管(8.0%),肝内(4.2%)であった.また胆石以外にも無石胆嚢炎463例(3.16%),胆道拡張症375例(2.56%),乳頭狭窄274例(1.87%),悪性病態243例(1.66%),胆道狭窄133例(0.91%)無石胆道炎96例(0.66%)などが確認しえた.これらの各病態と胆石症との相関関係を主として年齢分布,性別,合併状況などより明らかにし,本邦における胆道系良性疾患を総括的に把握した.
索引用語
胆道系良性疾患, 胆石症
日消外会誌 15: 1358-1371, 1982
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