原著
消化管手術症例における消化管蠕動促進ホルモン―Motilin―の検討
藤本 茂, 石神 博昭, 橘川 征夫, 雨宮 邦彦, 大山 欣昭, 呉 正信, 遠藤 文夫, 奥井 勝二
千葉大学医学部第1外科
空腹時の消化管蠕動をつかさどるホルモンであるmotilinの消長を,健常人12名,消化器疾患9症例について,Dryburgh&BrownのRIA法の変法により測定検討した.空腹時の血中motilin濃度は70~80分のcycleをもって増減し,その産生臓器である十二指腸内の温度の変動とその血中への遊出は無関係であるが,Mitzneggらのacidificationによる分泌増強を確認した.膵頭十二指腸切除を施行した膵癌4名と,十二指腸と上部空腸にacidificationの起らないBillroth II法を行った消化性潰瘍あるいは胃癌5名においては,術後も術前と同様の分泌が行われており,これらの分泌機序についての考察を加えた.
索引用語
消化管ホルモン, モチリン
日消外会誌 15: 1372-1378, 1982
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