十二指腸乳頭部癌切除例の臨床病理学的検討

柏野　博正, 三村　久, 上田　祐三, 浜崎　啓介, 高倉　範尚, 折田　薫三

岡山大学第1外科

　十二指腸乳頭部癌切除例33例について胆道癌取扱い規約に基づき，肉眼型，進展度，予後などを検討した．肉眼的形態分類を行うと腫瘤型13例（露出10例，非露出3例），腫瘤潰瘍型13例，潰瘍腫瘤型5例，潰瘍型2例であった，3年以上生存例10例の肉眼型は7例が腫瘤型であり，3例が腫瘤潰瘍型であった．
　組織学的膵・十二指腸浸潤と予後との関係をみるとp（＋）例は予後不良であったが，d（＋）の4例は3年以上生存した．また3年以上生存例10例中3例はn（＋）であった．組織学的進行度をみるとStage I，IIでは再発死亡例はみられなかったが，Stage IIIでは7例が再発死亡した．Stage III 18例中3例は3年以上の生存が確認された．

索引用語
十二指腸乳頭部癌, 膵頭部領域癌

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