原著
胃切後胆石症々例の検討―胃切後ビ系石生成の成因的―考察―
武藤 良弘*, 内村 正幸, 脇 慎治, 鮫島 恭彦, 中山 正明, 山田 護, 岡本 一也1)
浜松医療センター外科(*現・琉球大学第1外科), 同 病理1)
胃切除後胆石症28例を臨床病理学的に検討した.その結果,本症の平均年齢は57.8歳と一般胆石の55.2歳と同年齢であったのに,男性に多く(男女比は6:1),胆石種はビ系石が78.5%,胆嚢胆管胆石が60.1%,胆汁感染が66.6%と高率であった.この成績はB-II法症例により顕著であり,加えて組織学的にリンパ濾胞性胆嚢炎が50%にみられた.この胃切後胆石症の病態は老人・高齢者の胆石症のそれに類似していたので,老人・高齢者の胆道感染の成立機転と胃切除後症例のそれとに共通性を求めて,胃切除後胆石の中ビ系石の生成の成因について考察を加えてみた.
索引用語
胃切後胆石症, 胃切除と胆道感染, 胃切後ビ系石の成因
日消外会誌 15: 1525-1529, 1982
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