原著
門脈圧亢進症手術の遠隔成績
寺西 寧
福島県立医科大学第1外科(主任:本多憲児教授)
われわれの教室および関連病院で,手術施行した門脈圧亢進症78例について,術後2~22年にわたり遠隔成績を調査した.症例をただ一度だけ手術を施行した単一手術群と数回手術を施行した複数手術群に分けて検討した.単一手術群を手術々式別にみると,経腹的食道離断術および左胃静脈下大静脈吻合術の成績が良好であった.手術時期別にみると緊急手術の成績が不良で,予防,待期の順であった.また,Childの分類よりみるとA群が良好,C群は不良であった.肝生検により組織学的にみると結合織増殖高度のものは極めて不良であった.複数手術群でもほぼ同様の結果が得られた.
索引用語
門脈圧亢進症, 食道静脈瘤, 肝結合織増殖, Childの分類
日消外会誌 15: 1530-1539, 1982
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