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第15巻 第10号 1982年10月 [目次] [全文 ( PDF 440KB)]
原著

潰瘍性腸病変,特に腸型Behçet病における内分泌 環境―甲状腺機能との関連において―

鈴木 定雄, 渡辺 岩雄, 遠藤 辰一郎

福島県立医科大学第2外科

 腸型Behçet病6例の術前・術後病態を内分泌学的見地より検討した.
 腸型Behçet病では検討し得た3例全例の131Iの甲状腺集積能増加,131Iの尿中排泄率減少が認められ本症術前におけるヨード欠乏が示唆された.またperclorate testで有機化障害の症例も認められた.また検討し得た本症4例にサイロキシンの血中消退率の遅延が認められサイロキシンの末梢代謝不全がうかがわれた.
 術前本症のT3は正常域内にあるものもみられるが術後T3と比べ6例とも低値を示しlow T3 syndromeともいえる病態にある.術後はT3,T4,free T4 indeX,T3-RSUとも正常域にある.以上より,術前本症には潜在的な甲状腺機能低下ともいえる病態を認めたものである.しかし,この術前病態の補充療法については今後検討を要す課題である.

索引用語
腸型Behçet病, Crohn病, ulcerative colitis, 甲状腺機能

日消外会誌 15: 1553-1557, 1982

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