有限責任中間法人日本消化器外科学会公式サイトへリンク 日本消化器外科学会雑誌 Online Journal
メインナビゲーションを飛ばす
ホームへリンク
最新号へリンク
既刊号へリンク
論文検索へリンク
投稿規定へリンク
編集委員会からへリンク
公式英文誌へリンク
購読のご案内へリンク
閲覧上のご注意へリンク
書誌情報 Japanese Englishページへリンク
第15巻 第11号 1982年11月 [目次] [全文 ( PDF 867KB)]
特別講演

消化器のFunctioning Tumorの病理

笹野 伸昭

東北大学医学部第2病理学教室

 消化器の機能性腫瘍について免疫組織化学により産生物質の局在を明らかにし,病理組織型や銀反応陽性細胞との照合を行った.膵癌50例で膵島ホルモン細胞を証明できたのは,グリセリン18例,インスリン17例,ソマトスタチン16例で,うち14例が3種ともに陽性であった.これは正常膵の膵管上皮内に内分泌細胞を証明したことと関連する.
 消化管のカルチノイドには脳・消化管ホルモン産生細胞がしばしば含まれるが,特に直腸カルチノイドではグリセンチン,ソマトスタチンおよびβ-エンドルフィンの3種細胞を高率に証明した.消化管の癌の中には,まれにカルチノイドに類似の組織像を示す例があるが,明らかな胃腺癌であっても81例中11例に脳・消化管ホルモン細胞をみとめ,陽性率は分化型の管状腺癌に高く,腸腺型の癌との関係を示唆した.大腸と胆嚢の腺腫で明らかなPaneth細胞を合み,小腸腺型とみられる部位ではやはり銀反応陽性細胞がしばしばみられ,グリセンチンとソマトスタチンが陽性であった.
 これらの事実から,膵島腫瘍と膵癌,消化管のカルチノイドと癌との間には,ホルモン産生能に関して明確な一線を引くことができないと結論された.

索引用語
消化管ホルモン免疫組織化学, カルチノイド, 膵癌, 大腸腫瘍, 胆嚢腫瘍

日消外会誌 15: 1681-1689, 1982

ダウンロードサイトへリンク PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です
このページのトップへ戻る
メインナビゲーションへ戻る
Copyright © 日本消化器外科学会