原著
総胆管結紮時および解除後の膵ホルモンの動態に関する実験的研究
小林 修
山口大学第1外科(指導:毛利 平教授)
閉塞性黄疸に対する適正な手術時期を解明するため,雑種成犬20頭を対照群,総胆管結紮解除群に分けて糖負荷試験を行うことにより膵ホルモン(インスリン,グルカゴン)の変動について検討した.総胆管結紮期間が長くなるに従ってインスリン値,インスリン・グルカゴンモル比は次第に低下し,グルカゴン値は次第に上昇し,結紮により糖新生能が亢進することを示した.総胆管結紮解除により膵ホルモンは次第に対照群に復帰したが,その回復は生化学的検査値の回復より遅廷し,結紮期間の1.5~2.0倍の期間を要した.また,結紮解除は結紮後2週間以内に行うべきであった.
索引用語
閉塞性黄疸, 糖負荷試験, インスリン, グルカゴン
日消外会誌 15: 1770-1784, 1982
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