原著
大腸組織における酵素抗体法によるfibronectinの組織化学的研究
松田 泰次, 浜田 宏, 安富 正幸
近畿大学医学部第1外科
酵素抗体法間接法を用いて,各種大腸組織におけるfibronectin(FN)の免疫組織化学的検討を行った結果,(1)固定法では凍結切片で最も強いFN活性が得られ,次いで凍結融解法であった.ホルマリン固定切片では活性低下がみられた.(2)FNは大腸正常粘膜上皮の基底膜および間質細胞に認められたが,粘膜上皮細胞内,細胞間隙およびluminal borderには認められなかった.(3)大腸癌ではFN反応は一般には間質細胞以外には認められなかったが,高分化腺癌では基底部にごく弱く認められることもあった.(4)腺腫では基底膜にFN反応が陽性のものと陰性のものがあり,異型性が高度になるほどFN反応は減弱あるいは消失する傾向が認められた.
索引用語
fibronectin, 免疫組織化学, 酵素抗体法
日消外会誌 15: 1798-1806, 1982
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